●「とりあえず」をやめよう
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  世界初の抗生物質「ペニシリン」が発明されたのは1928年。

  それ以降は感染症で亡くなる人は激減し、人類を救った抗生物質は
  「20世紀最大の発明の一つ」と称されました。

  しかし近年、抗生物質が効きにくい「耐性菌」が増え続け、
  その中でもどんな抗生物質も効かない
  スーパー耐性菌への危機意識が世界的に高まっています。

  スーパー耐性菌は、薬が何も効かないので
  免疫抵抗力の低下した人が感染すると、
  死に至る場合があります。

  また、医療施設には免疫抵抗力の低い患者が集中していますので、
  院内で感染すれば集団感染が起こる可能性も考えられます。

  そして、さらに危険なのは、健康な人が感染した場合です。

  無症状のまま菌が空気中に排出されてしまうので、
  人工呼吸器や点滴の管、挿入口などに付着して
  患者に感染を起こし、さらに被害を拡大させてしまうのです。

  今年5月26日、米疾病管理予防センターは、
  知られている抗生物質全てに耐性を持つ細菌への
  国内初の感染症例を報告しました。

  当センターの所長によると、
  悪夢のような細菌に対して最終的に投与される
  抗生物質コリスチンを注入しても、
  このスーパー耐性菌を制御することができなかったとのことです。

  さらに恐ろしいことは、これに感染した方は
  過去5ヶ月の間に旅行歴がなく、
  どのように感染したのかがわからないということです。

  未だにこのスーパー耐性菌に対する抗生物質は発明されておらず、
  拡散するスピードもわかっていないので注意が必要です。

  現代社会は、世界保健機関(WHO)が
  「ポスト抗生物質時代」と名付けるほど危機的状況になりつつあり、
  病原菌に対して抗生物質が効かなくなってしまう時代が
  やってくるかもしれないと警鐘を鳴らしています。

  そもそもスーパー耐性菌が出現してしまうのは
  気軽に抗生物質を常用する人が増えていることが原因です。

  新しい抗生物質を開発しても、投与を続けることによって、
  多くの場合、その抗生物質への耐性でき、効果が失われていくのです。

  英国では一年間の抗生物質の処方が4000万錠を越えており、
  人口がおよそ6400万人であることを考えますと
  過剰に処方箋が出されていることがわかると思います。

  この状況を打破するために、
  病気になればとりあえず薬に頼るという習慣をやめることが
  求められているのではないでしょうか。

  人間に元々備わっている自浄作用に目を向けるべきときが
  来ているのかもしれません。

  (アルフィックス日報)