●「OPECの減産と今後の影響」 ~②為替~      
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  米国の大統領選挙戦が佳境を迎えるなか、
  最近の経済指標において米国景気の底堅さが示され、
  米連邦準備理事会(FRB)が年内に利上げするとの見方が高まっています。

  先週、米国の長期金利は一段と上昇し、10年物国債の利回りは1.74%と
  約1ヶ月ぶりの水準まで上昇しました。

  為替市場においても、日米の金利差拡大を見込んだドル買いが進み、
  先週は1ドル=103円前後とドルは底堅い動きとなりました。

  ただ、ここ3ヶ月あまりは100~105円程度で推移しており、
  方向感に欠けた動きとなっています。

  これから年末にかけて米国の政治や経済の動向に注目が集まりますが、
  日本に目を向けると「原油高から来年は円安に転じる」という見方があります。

  注目されるのは、2014年後半からの原油安が日本の経常黒字を拡大させ、
  円高の圧力を強めたという構造的な要因です。

  原油価格は、2014年7月の1バレル=100ドルの水準から、
  わずか1年半で20ドル台まで下落しました。

  この原油安が貿易収支において輸入額を大幅に減少させ、
  2015年の経常黒字は16兆6413億円と
  前年の2兆6458億円と比べ大幅な黒字拡大となりました。

  この黒字額は東日本大震災が起きる前年の
  2010年以来5年ぶりの水準です。

  また、2016年上半期(1-6月)においても
  10兆6256億円の経常黒字となっており、
  これが円高圧力の一因と考えられています。

  円相場は2015年7月の1ドル=125円台から
  現在103円と円高水準となっています。

  原油価格が下落し始めたのが2014年7月ですから、
  約1年後から今回の円高が始まったことになります。

  また、1年半下げ続けた原油価格は年始の20ドル台を底値として、
  50ドル前後まで上昇しており、
  日本の経常黒字の縮小が1年程度のタイムラグを伴って、
  来年初めに円の下落につながることも考えられます。

  為替と原油価格の関係に注目している市場関係者も増えています。

  メリルリンチ日本証券の山田修輔FX/株式ストラテジストも、
  原油高でデフレ懸念が後退し、低金利の円が売られやすくなると予想。

  来年も米国の利上げが続くようなら、
  「2017年末に115~120円までの円安が進む」と見ています。

  来年以降、原油高と円安が同時に進んできた場合、
  原油の輸入国である日本は また試練を迎えそうです。

  (アルフィックス日報)