●電子マネー戦争
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   電子マネーの普及は目覚しいものがあります。

  今ではコンビニや自販機など使える場所が広がっており、
  変わった所だと東京の愛宕神社がお正月限定でお賽銭を
  電子マネーのEdyで出来るようにしていたそうです。

  もしかするとこれからもっと神社やお寺で
  電子賽銭が増えたりするかもしれません。

  そんな電子マネーの要といえば
  お財布ケータイなどで使われているFelicaです。

  昨年iPhone7がFelica対応になりましたが、
  この動きは今後重要なものになっていきます。

  そもそもICカード式の電子マネーに使われている技術は
  「近距離通信(NFC)」と言い、その中の規格の一つがFelicaです。

  他にもType A/Bという規格が普及しており、
  Felicaはソニーによって開発され、日本で普及しているのに対し、
  Type A/Bは欧米を中心に世界で普及しており、
  その開発にはVISAやマスターカードが関わっています。

  この両者には互換性がなく、また、読み取り機の導入コストも高い為、
  後発のFelicaは世界では普及しておらず、
  ガラパゴス化してしまっているのです。

  しかしFelicaには他の規格にない強みがあります。

  それは通信速度です。

  Type A/Bと比べると2.5倍ほど通信速度が速く、
  乗客の多い都市部の交通機関では
  その強みを最大限に発揮することができます。

  ただ、これまではVISAやマスターカードが採用している
  Type A/Bがグローバルスタンダードで、
  日本でも東京オリンピックに向けてType A/Bを普及させる為に
  各社から両規格に対応したスマートフォンが
  発売されるなどの動きがありました。

  そんな中、アップル社は流れに逆らい、
  日本で販売されるiPhone7にガラパゴス規格である
  Felicaを導入しました。

  日本ではFelica、欧米ではType A/Bだけが使えるとの話で、
  日本国内のiPhoneのシェア率が66.2%と
  世界でも飛びぬけて高いことと合わせて、
  当初は日本だけをターゲットにした動きだと思われていました。

  しかし、そうではなくアップル社は今後Felicaが
  世界に普及していくと考えている可能性が出てきました。

  なぜならiPhone7のNFC用のICチップを調べたところ、
  欧米と日本で同じものが使われていることが判明したからです。

  つまりそのICチップは両規格に対応したものだという事です。

  そしてこの事自体がFelica導入の
  きっかけになっていくということもありえます。

  もし世界でFelica導入の流れになり都市部の交通機関で採用されると、
  大きな市場となりますので、どこよりも早くスタートを切った
  アップル社は大きな勝利を得ることでしょう。
 
  いずれにせよ、今後は各社とも
  東京オリンピックを意識していくと予想できます。

  オリンピックはもちろん楽しみですが、
  それまでの電子マネー業界の戦いの行方も気になります。

  2020年まで残り3年、電子マネー業界の動きから目が離せません。

  (アルフィックス日報)