●人口動態危機
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  総務省が昨年10月に公表した
  「平成27年(2015年)の国勢調査人口等基本統計(確定値)」によると、
  昨年10月1日現在の日本の総人口(外国人等を含む)は1億2,709万人で、
  前回の平成22年(2010年)調査に比べて96.3万人(0.8%)減少しました。

  また、5年ごとに実施される国勢調査が始まった大正9年(1920年)以降で
  日本の総人口が減少するのは、今回が初めて。

  出生数が死亡数を下回る自然減が大きく影響したことになります。

   また、総人口の98.6%にあたる日本人人口は1億2,428万人で、
  平成17年(2005年)調査時の1億2,573万人をピークに、
  平成22年(2010年)調査時の1億2,536万人に続いての減少(107.5万人)であり、
  実質的に10年前から減少が始まっていたことになります。

  一方、日本在住の外国人は175万人で、前回と比べて、
  10.4万人の増加となりました。

  日本の人口は、中国、インド、アメリカなどに続いて世界で10番目ですが、
  上位20か国の中で人口増減率(2010~2015年)がマイナスなのは、
  日本のみとなります。

  65歳以上の人は3,347万人で、総人口に占める割合は26.6%。

  初めて25%を上回り、4人に1人が高齢者となりました。

  一方、15歳未満の人は1,589万人で同12.6%と8人に1人の状況です。

  大正9年(1920年)当時に5.3%であった65歳以上の人の割合は、
  昭和60年(1985年)に10.3%に到達するまでに65年を要しましたが、
  今回調査の26.6%にはその半分以下の30年で到達していることになります。

  同様に、大正9年(1920年)当時に36.5%で3人に1人以上が15歳未満でしたが、
  今回調査では12.6%と当時のおよそ3分の1にまで減少しています。

  つまり、生産年齢である15~64歳をはさんで
  2つの年齢層に急激な逆転現象が起きていることになるわけです。

  ちなみに15~64歳の層は、平成2年(1990年)には
  69.7%までその割合が増加していましたが、
  近年の15歳未満人口の減少に伴い、今回は60.7%まで減少しており、
  今後も減少が見込まれています。

  日本における人口動態の危機は、当然ながら労働力の担い手が減少、
  社会保障の財政基盤も危うくなるのは必至で、
  少子高齢化の問題解決に向けて効果的な改善策の実施が待たれます。

  税収からなのか社会保障の充実なのかが問われる中、
  子育て推奨や労働者の権利強化も求められてきますが、
  私たち1人1人が自分自身の出来ること、自助努力をするよりほかありません。

  (アルフィックス日報)