●あの時、この人 前田 浩
====================================

  常識破りの、「副作用のない抗がん剤」が誕生したと聞きますと、
  皆様驚かれると思います。

  その抗がん剤は「P-THP」。開発者は熊本大学名誉教授の前田浩氏です。

  まさに夢のような、その薬の特性をご紹介いたします。

  P-THPはピラルビシンという抗がん剤を採用しますが、
  これは古い薬で、すでにジェネリック薬品となっております。

  ピラルビシンにポリマー(高分子物質)を付けて、薬自体を大きくします。

  薬の大きさは10ナノメートル以上ですので、
  血管の細胞の隙間(2~6ナノメートル)から漏れ出して、
  薬の毒性が全身に回って副作用を起こすことが無くなります。

  抗がん剤は通常の細胞にも毒なのです。

  一方、悪性腫瘍は大量に栄養を必要とするために、
  血管の壁が粗雑で隙間が数百ナノメートルまで大きくなります。

  P-THPは体中を回りながら、腫瘍の周りの太い血管の
  隙間だけから漏れ、がん細胞に集まります。

  腫瘍に届きますと、リンカーと呼ばれる紐ががん細胞の酸性に
  反応して切れて、ここで薬の毒性ががん細胞に発揮されます。

  したがって、体を弱らす副作用がなく、
  がん細胞だけに効果があがる夢の薬なのです。

  このようなすばらしい薬品なのですが、
  実はP-THPを製造したいという薬品メーカーは1社もありません。

  理由として、ピラルビシンはすでに認可されていますが、
  高分子ポリマーをつける事によってもう一度治験
  (新薬認可のための臨床実験)が必要で、
  そこには数百億円の費用がかかるからです。

  ピラルビシンがジェネリックで安価な薬品ですので、
  薬品メーカーはその経費を回収することができないという理由なのです。

  まだ臨床で使う病院がない中で、唯一引き受けた医師は
  なぜか本名が明らかにされておりません。

  ホスピス病棟(ステージ4の方)にて自由診療でP-THPを投与しており、
  中には完全治癒となった事例もあるそうですが、
  人によってはなぜかまったく効果がない人もいます。

  ただ数千万円にも及ぶほかの高額医療に対して、
  一度あたりの治療費は3~5万円と安く、副作用がほとんどなく、
  体が弱らないので放射線治療と併用できるという画期的な方法です。

  今後、厚生省の認可のハードルを低くする事が急務でしょう。

  高額医療費は税金でまかなわれるシステムになっておりますので、
  「スーパー・ジェネリック」という新しいカテゴリーを作って
  認可のハードルを下げ、治験の経費を大幅にカットできれば
  このような素晴らしい薬が使用されやすくなり、
  国の高額医療費の支払いも大幅に減るようになるのではないでしょうか。

  (アルフィックス日報)