●ゴミに覆われた空
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  放射線、紫外線、真空状態に極めつけは太陽フレア、
  宇宙空間の脅威は様々ですが、
  いま宇宙開発の克服し難い障害となっているのは、
  人が生み出したゴミ、スペースデブリです。

  スペースデブリは耐用年数を過ぎた、
  または事故、故障によって放棄された人工衛星、
  打ち上げられたロケット本体や切り離しなどによって生じた破片、
  更には宇宙飛行士が船外活動中に落とした
  手袋や工具、部品といった宇宙空間を漂う大小の人工物です。

  漂うといっても、秒速8キロメートルの超高速
  (ライフル弾が秒速800メートルですのでその10倍もの速さ)で
  宇宙空間を移動しています。

  それだけの速度ですので、ネジのような小さなものでも
  衝突すれば大事故に繋がる危険性があります。
 
  大きさが10センチ以上のものだけでも2万3000個、
  1ミリ以上のものまで含めると1億ないし1兆個以上のゴミが、
  宇宙空間に放置されたままであると推定されています。

  1970年代からNASAのケスラー博士によって提唱されていた、
  デブリ同士がぶつかり合い
  連鎖的に新たなデブリを自己増殖させていく、
  通称ケスラーシンドロームも既に現実のものと
  なってしまっていると考えられ、
  今後デブリは益々増えていくものと思われます。

  衛星放送・通信、気象予測にGPSなど、
  地上の生活も宇宙から様々な恩恵を受けていますが、
  そうした人工衛星はデブリとの衝突を防ぐ手立てはなく、
  小さなデブリだと観測もできません。

  またデブリは地球を膜で覆うように衛星軌道上に堆積し、
  このまま放置し増え続ければ、
  宇宙への道が未来永劫断たれることにもなりかねませんが、
  各国が競い合って宇宙開発が加速度的に進む中、
  デブリの除去作業はまったく追いついていないのが現状です。

  現在行えるデブリ除去一番の方法は、
  デブリを大気圏まで叩き落し焼失させるやり方です。

  今年に入り「こうのとり」がデブリの除去活動を試みました。

  電流を流し磁場を干渉させると、
  速度方向の逆向きに力が働き徐々に減速、
  デブリは大気圏へと降下していきます。

  デブリを落とすための導電性のワイヤーを打ち出すことができず、
  残念ながらこうのとりの除去活動は失敗に終わりましたが、
  今回の活動に限らず、JAXAと世界で唯一デブリに立ち向かう民間企業
  「アストロスケール」が協同し技術を開発しており、
  日本は世界の中でも特にデブリ除去活動に心血を注いでいます。
 
  自分たちの歩みを自ら阻んでしまわないよう、
  まずは自分たちが出したゴミの掃除から始める必要があるようです。

  (アルフィックス日報)