●最後の警告
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  今回のタイトル「最後の警告」は、
  国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会が作成した、
  「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」の
  目次一項目目に書かれている言葉です。

  最後の警告とは穏やかではありませんが、
  戦後復興期から高度成長期にかけて一斉に各地で建設された
  道路や橋、そしてトンネルの寿命が迫っています。

  全国に橋は約70万橋、トンネルは約1万本あり、
  10年後には耐久年数の50年を経過するものが4割を超える見込みのため、
  最後の警告は大袈裟ではありません。
   
  NEXCO西、中、東日本の3社は「高速道路リニューアルプロジェクト」を
  昨年度から15年・1兆円の規模で始めています。

  きっかけは、平成24年12月に中央自動車道笹子トンネルで
  老朽化した天井が崩落し、9名の尊い命が犠牲になった事故でした。

  私たち国民の関心も高まり、それまで10年間で2割減少していた
  公共事業予算も多少改善されました。

  しかし、現行の交付金制度では不十分な状態です。

  平成26年からは、橋梁やトンネルについて5年に1度の目視点検を義務化し、
  緊急輸送道路上などの重要度や施設の健全度等から、
  優先順位を決めて点検されています。
 
  老朽化が進んでいるのは新幹線も同じです。

  JR西日本は平成40年2月から新大阪‐博多間の全線で
  10年間の大規模改修を実施予定です。

  山陽新幹線は他の新幹線に比べて深刻な状態です。

  建設されたのは高度成長期で、建設需要の大幅な伸びと
  オイルショックによる資材不足、工期の制約など
  厳しい施工条件が重なったことから、トンネルの壁を薄くし、
  それまで許可されていなかったコンクリートの骨材に海砂も使われました。

  コンクリートの表面の塩分は洗い流されますが、
  内部の塩分は濃縮されて鉄筋を腐食するため、問題が多発しています。

  又、発注者の施工管理が不十分で
  一部に適切でない施工があったとも言われており、
  安全面が後回しになっていたようです。
 
  現在、国土交通省では橋の建設や維持管理の方法を見直すと共に、
  腐食や劣化に強い素材を用いることなどで、
  耐久年数をこれまでの50年から100年は安全に使えるように
  精度を向上させています。

  また、点検の時に目視とハンマーで叩いて確認する以外に、
  赤外線を当てて表面の温度差から剥離や傷を把握する、
  低コストの点検技術も進んでいます。

  洪水や火災のたびに再建されていた木製の橋から、
  鉄とコンクリートで造られた橋に替わった頃、
  その耐久性から「永久橋」と呼ばれていたそうです。

  橋も道路もトンネルも永久耐用ではありませんが、
  点検と修繕を重ねながら、永久に安全をつなぐ
  交通インフラを目指して欲しいものです。

  (アルフィックス日報)