●荒廃している森林を活性化 森林環境税とは? 3.4/4

  3/4 森林バンク

  森林は公益的機能が発揮されると私たちに恵みをもたらしてくれますが、
  整備が遅れたり、放置された森林は、活力を失い、
  山崩れ等の災害をもたらしたり、鳥獣被害の原因となることもあります。

  日本では、外国産木材の輸入増大により、木材価格は低迷し、
  間伐などの整備がなされない(放置林)が目立つようになりました。

  また、山村地域では、林業の担い手が不足し、世代交代が難しくなり、
  所有する森林を譲りたい人が増加しています。

  森林所有者の意欲が低下するとともに、所有者不明の森林も増加しており、
  適切な管理が難しくなっています。

  日本は森林整備のため安定的な財源が必要な状況に置かれているのです。

  すでに、多くの都道府県では、森林環境税に相当する税金を徴収して、
  整備されていない森林の間伐等実施、山崩れ等による土砂や流木の除去、
  山地の防災対策、林業後継者の養成などに充てています。

  政府でも新たな施策として、森林環境税を前提に
  「森林バンク」制度を創設する方向性を明 確にしました(※)。

  森林バンクとは、市町村が放置林を借り上げて集約し、
  意欲ある林業経営者(木材生産業者など)に放置された森林を貸し出して、
  森林整備を進める施策です。

  これにより、林業の立て直しや環境保全に結びつけることが狙いです。

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  ※森林資源を適切に管理しながら、林業を成長産業にしていく。
    そのため、意欲ある林業経 営者に森林経営を集積・集約化させる
    森林バンクを創設する
    (安倍総理∕平成29年12月8 日、第22回農林水産業・地域の活力創造本部にて)。

  4/4 国際公約の遵守

  放置・荒廃した森林は、温暖化防止(温室効果ガス吸収源対策)として貢献できませんが、
  人の手により、整備されるようになった森林は、温暖化対策に貢献できるようになり、
  国際的なルールでも実績として認められます。

  京都議定書の第二約束期間(2013〜2020年)において、
  日本は温室効果ガスの排出削減の目標は設定しませんでした。

  しかし、温暖化防止対策については、継続して報告を行い、
  審査を受けることになっています。

  COP19(2013年・ワルシャワ)では、2020年の削減目標を2005年比3.8%減とすることを表明し、
  そのうちの7割以上にあたる2.7%以上については、
  森林によるCO2吸収で確保する計画になっています。

  この目標を達成するためには、2013年から2020年の間において、
  年平均52万haの間伐等の森林整備をする必要があります。

  さらに、パリ協定における約束期間(2021-2030)では、
  2030年度に2013年度比で26.0%の削減目標を掲げており、
  この目標を実現するためには、温室効果ガスの排出量を削減するとともに、
  吸収源対策として、年平均で45万haの間伐実施が必要になります。
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  現在の日本は、化石燃料を燃焼する火力発電に依存せざるを得ない状況にあり、
  火力発電の効率化を目指していますが、国際社会からは、日本の環境対策の方向性について、
  疑問視する声も挙がっています。

  森林バンクは、日本で放置されている森林の整備等を進めることが目的で、
  上手く機能すれば日本の林業の活性化が見込まれますし、
  また、温暖化防止対策にも貢献できるものとなります。

  これにより、国際公約を遵守することにもなり、
  日本の環境に対する取組みに対して、国際的な信用が高まることでしょう。

  (木づかい友の会通信)