●ミルキーウェイの見える世界に・・・
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   今や、我々の生活に欠かせないものになりつつあるLED照明。

   世界の市場規模で見てみますと、2017年には推計184億1000万ドル、
   2023年には263億9000万ドルとまだまだ市場の成長が見込まれており、
  世界中の人々がエネルギーや電気代を節約しようと
  LED照明への切り替えを進めています。

  ところが、このLED照明への切り替えが別の問題を引き起こしているのです。

  ドイツ地球科学研究センターの研究によりますと、
  夜間の人工光によって照らされる地表の面積と明るさが
  過去4年間で毎年2%ずつ増加しており、
  その主な原因として挙げられているのが、
  明るいLEDが急速に普及したことです。

  また、科学者らが夜間光の計測のために放射計を
  米海洋大気局(NOAA)の地球周回衛星に載せ、4年間にわたって
  光害(過剰または不要な光による公害)の観測を行ったところ、
  人工光が最も急速に増加しているのは発展途上国であること、
  そして世界的なGDPの増加に対応するように
  光害が進行していることがわかりました。
 
  この光害の問題は、星空が見えなくなるだけではありません。

  地球上の全動物のうち半数以上が夜行性で、
  夜間にこうした人工光を浴びれば、
  生物リズムや夜行性の本能に混乱をきたすなど
  深刻な影響を受けかねません。

  人間にとっても過剰な明かりは
  歩行者や車などの運転手に危険を及ぼすことがあり、
  また体内時計やホルモンバランスが乱れたりと人体に悪影響を与えます。

  米科学誌「エコロジカル・エコノミクス」の発表によりますと、
  過剰な夜間光の影響により、
  「野生動物、健康、天文学などへの悪影響とエネルギーの浪費」で
  年間70億ドル(約7400億円)の損失を引き起こすと言われております。
 
  G20諸国の中で星が最も見えやすいのは、インドとドイツだと言われております。

  ドイツは西ヨーロッパで最大の国ですが、
  速度無制限で有名な高速道路(アウトバーン)では夜照明をつけないでいたり、
  夜の公園の照明をつけないなど自治体レベルで光害対策をとっており、
  近隣の国に比べて人工光の使用量が少ないのです。

  また、国民一人ひとりの意識も強く、
  ドイツの都市では住民1人当たりの光の使用量が
  アメリカの都市の1/3~1/5程度となっているようです。

  日本では、1998年に環境庁が「光害対策ガイドライン」を制定するなど
  早々に対策をうってはいましたが効果はなく、
  むしろ年々光害の範囲は広がっており、
  国民一人ひとりが問題意識を持たない限り
  永遠に問題解決の光は見えないのかもしれません。

  天の川が少しでも見える世界を目指したいものです。

  (アルフィックス日報)