【新薬】オビヌツズマブ(ガザイバ)

日経メディカルにこんな記事が掲載されていました。

 2018年8月29日、抗悪性腫瘍薬オビヌツズマブ
(商品名ガザイバ点滴静注1000mg)が薬価収載と同時に発売された。

 適応は「CD20陽性の濾胞性リンパ腫」、
 用法用量は「1日1回1000mgを投与。

 導入療法:1サイクル目は1、8、15日目に、
 2サイクル目以降は1日目に投与。

 維持療法:単独投与により2ヵ月に1回、
 最長2年間の投与を繰り返す。

 なお、導入療法では、併用する他の悪性腫瘍薬により
 サイクル期間やサイクル数が異なる(最新の添付文書参照)」。

 日本の悪性リンパ腫の罹患率は、年々増加傾向にあり、
 男女比は約3:2 と男性に多く、65~74 歳が発症のピークである。

 組織学的にはホジキンリンパ腫(HL)と
 非ホジキンリンパ腫(NHL)に大別されるが、
 日本では大半がNHL である。

 濾胞性リンパ腫FL)は代表的な低悪性度B 細胞リンパ腫であり,
 NHLに占める頻度は7~15%である。

 FLは経過が緩徐であり、ほとんどの進行期症例では
 組織学的進展などによって化学療法抵抗性となり
 寛解維持が困難で、長期にわたる再発・再燃が報告されている。

 FLの治療は、病期や腫瘍量により放射線療法や
 国内外のNHL治療ガイドラインなどで推奨されている
 抗CD20モノクローナル抗体リツキシマブ(リツキサン:R)を
 併用した化学療法[R-CHOP療法、R-CVP療法、BR療法
 OまたはV:ビンクリスチン
 P:プレドニゾロンまたはメチルプレドニゾロン、
 B:ベンダムスチン)]などである。

 オビヌツズマブは、新規抗体改変技術を用いて
 Fc領域の糖鎖を改変して創製されたタイプ2の
 ヒト化抗CD20モノクローナル抗体である。

 ヒト化抗CD20モノクローナル抗体としては、
 リツキシマブ(リツキサン)、オファツムマブ(アーゼラ
 に次ぐ3番目となる薬剤である。

 オビヌツズマブは既存のリツキシマブと同様に、
 ヒトCD20に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)
 活性および抗体依存性細胞貧食(ADCP)活性により、
 腫瘍の増殖を抑制する。・・・・

 主な副作用は悪心(43.6%)、疲労(28.7%)、発熱(24.0%)
 などであり、重大な副作用としてinfusion reaction、
 腫瘍崩壊症候群、好中球減少、白血球減少、血小板減少、感染症、
 B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎、肝炎の増悪、
 進行性多巣性白質脳症(PML)、心障害、消化管穿孔、
 間質性肺疾患が起こる可能性がある。