「17年度住宅市場の競争力分析」
17年度の都道府県別低層住宅着工棟数ランキングによると、
■ ハウスメーカー vs ビルダーはビルダーに軍配上がる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
47都道府県の中で、ハウスメーカーが
1位になった県とビルダーが1位になった
県の数を比較すると、17年度は
ハウスメーカー:17ヶ所、
ビルダー:30ヶ所となりました。
今やビルダーのほうがハウスメーカーよりも
1位となっている県の数が多いということですが、
10年前の07年度はハウスメーカーが
1位の県が47都道府県の42ヶ所を占めていました。
ハウスメーカーVSビルダーの勢力図が
この10年で急激に変化したことがわかります。
10年間でハウスメーカー1位獲得県の数は徐々に減少し、
15年度にハウスメーカー:24ヶ所、ビルダー:23ヶ所と拮抗し、
16年度にハウスメーカー:20ヶ所、ビルダー:27ヶ所と
ビルダーがハウスメーカーを上回りました。
低層住宅でもアパートを除いた
戸建(持家・分譲)だけで見ると、
ビルダーが1位の県は32ヶ所になります。
17年度低層住宅着工ランキングで、
最も多くの県で1位となったのが一建設です。
首都圏の千葉、埼玉、神奈川と、宮城、奈良、福岡の
計6県で1位となりました。
ハウスメーカーで最も1位が多いのが
一条工務店で、山梨、長野、岐阜、三重、鳥取の5県です。
これ以外に、2位の県が6ヶ所、3位の県が8ヶ所で、
一条工務店がランキング上位に入る県は増えています。
ビルダーが1位となった県は、
一建設を筆頭に都市圏では分譲ビルダーが強いです。
飯田産業(東京)、フジ住宅(大阪)、
エルハウジンググループ(京都)の他、
グランディハウス(栃木)、ケイアイスター不動産(群馬)、
アズマハウス(和歌山)等が連覇しています。
地方圏では老舗の注文ビルダーが強い傾向にあります。
ハシモトホーム(青森)、シリウス(岩手)、サンコーホーム(秋田)、
ノーブルホーム(茨城)、イシカワ(新潟)、石友ホーム(富山・石川)、
永和住宅(福井)、シアーズホーム(熊本)、ヤマサハウス(鹿児島)等は、
各県を代表するトップビルダーです。
低価格の建売分譲ビルダーが都市圏で、
ハウスメーカーよりもコスパの
高い注文ビルダーが地方で棟数を増やし、
その中間エリアや自社工場等があって
元々強いエリアでハウスメーカーが勢力を
維持しているといった棲み分けになっています。
(工務店MBA)