●郵政上場
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  11月4日、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命からなる
  日本郵政グループが同時上場します。

  10/19公開価格が決定し、ゆうちょ銀行1450円、かんぽ生命2200円で
  売り出されることとなりました。
  (日本郵政は10/26本日決定、仮条件の上限価格は1400円)
  3社の最低購入単位は100株となります。

  1987年NTT以来の大型新規株式公開(IPO)とあって、
  メガバンクが窓口で個別株を販売する異例の状況、
  主幹事証券会社11社に、引受証券会社61社と
  前代未聞の官民連携の総力戦です。

  個人投資家の投資ブームの火付け役となったNTT株は、
  当時119万7000円の売り出し価格がわずか2ヶ月後には318万円となり、
  その後バブル崩壊で急落しました。

  政府は、このNTTでの失敗を反面教師にしており、
  緩やかでも確実に上がっていく価格設定としています。

  また、郵政株売却で得た4兆円を復興財源として充てることを決めています。

  国がバックについていることから破綻の可能性は低く、
  配当利回りが2~3%台半ばと高めに設定されていることから
  魅力的に見えますが、事業の成長性、収益力には課題もあり
  中長期的な価格見通しには不透明な部分も多いようです。

  まず日本郵政、年間配当3.29%。
  
  政府から3分の1超まで段階的に株式売却され、
  非上場の日本郵便はサービスの公平性を維持するため
  100%保有となります。

  2015年3月期の連結純利益は4826億円ですが、
  その9割以上をゆうちょ銀行とかんぽ生命に依存しており、
  本業である郵便事業の営業損益は103億円の赤字となっています。

  日本郵政はこれら2社が完全に市場に売却された場合、
  収益源が日本郵便のみとなり、将来性には疑問がつきます。

  続いてゆうちょ銀行、年間配当3.45%。

  国内最大規模の金融機関で、貯金残高は177兆円と
  三菱東京UFJ135兆円を上回ります。

  206兆円にもなる運用資産の約50%を国債で運用していることから、
  わずかな利回りしか見込めない国債が民営化によって手放された場合、
  国債価格の下落を賄うだけの収益源の多様化が見込めるのか
  不安が残ります。

  そして、かんぽ生命、年間配当2.55%。

  全国50ヶ所にある「かんぽの宿」をはじめ、
  本業である個人保険のシェアでは保険料ベースで国内首位となっています。

  第一生命など大手保険会社と財務内容も比較しやすく、
  民営化も最もスムーズに移行するのではないかと見られています。

  また、ゆうちょ銀行、かんぽ生命ともに
  日本郵政から約50%株式売却される予定です。

  巨大金融機関のIPOとあって夢は大きいですが、
  NTT以来の親子上場、今回は“子離れできない親”の失敗を
  繰り返すことは許されません。

  (アルフィックス日報)