●ウメぇ話
  2月も残り僅かとなりました。
 
  寒さが緩み、辺りのウメの花も咲き始め、
  春の気配を感じるようになりました。
 
  まさに今が旬のウメの花ですが、
  花を観賞するだけでなく果実を梅干し、
  梅酒やお菓子作りにも利用するなど、
  日本人にとって馴染み深いものとなっています。
 
  本日はこのウメにスポットを当ててみます。

  ウメは中国原産のバラ科の植物で、
  近縁種にモモやアンズがあります。
 
  果実には強い酸味があり、
  中国では紀元前から酸味料として用いられ、
  塩とともに最古の調味料とされています。
 
  日本語でも使われる良い味加減や調整を意味する語
  「塩梅(あんばい)」は、もともとウメと塩による
  味付けが美味くいったことを示した言葉です。
 
  日本では平安時代頃から観賞及び食用として広まり、
  学問の神様・菅原道真が大宰府に左遷された際に
  京都の自宅に植えられていたウメが
  後を追った「飛梅伝説」などで有名です。
 
  また、戦国時代になると武士の陣中食として梅干しが重宝され、
  ウメの植林が奨励されました。
 
  その名残はウメの名所や梅干しの産地として現在でも残っています。

  ウメの果実には肌を健やかにするビタミンC、
  余分なナトリウムを排出して血圧を下げるカリウム、
  その他にもビタミンB1、B2、カルシウム、リンなどが含まれています。
 
  強い酸味のもとであるクエン酸はカルシウムなどの
  ミネラルの吸収を高める効果がありますし、
  唾液の分泌を促進するのでドライマウス予防にもなり、
  まさに現代人にぴったりの健康食品であると言えます。

  長い歴史の中で常に日本人と密接な関わりを持ってきたウメ。
 
  各家庭で作られる梅干しや梅酒が、
  懐かしいおふくろの味となっている方も多いのではないでしょうか。
  昨日多くの国立大学で前期の二次試験が行われました。
 
  今後の日本の行く末を担う受験生にこそ梅干しを食べてもらい、
  菅原道真にあやかると同時に口と頭をスッキリさせて
  試験に臨んで頂きたいと思います。
 
  (あるる)